ケアマネジメントってなに?
福祉に携わる方でしたらケアマネジメントという言葉をご存じな方は多いかと思います。
ケアマネジャーは利用者様が住み慣れた場所で自立した生活が送れるようになる為にどの様な支援があれば良いのか、利用者様の希望を伺い、多様なサービスの中から適切なサービスを提供し、利用者様の希望を叶える為のプロセスだと言えます。
ケアマネジメントのプロセスとは。
では、プロセスとはどの様な流れがあるのか見ていきましょう。
①アセスメント
②ケアプラン作成(原案)
③サービス担当者会議の開催(利用者・家族に対する説明、文章による同意)
④サービスの実施
⑤モニタリング(再アセスメント)
という順番がケアプランの作成の流れになり、この流れの総称をケアマネジメントと呼びます。利用者様の希望を実現する為にも、この一連の流れはとても大事な業務となります。
では、①アセスメント~⑤モニタリングまで具体的に何をするのか解説します。
①アセスメント(課題分析)
利用者様やご家族様と面談を行い、現在の生活状況を聞き取り(情報収集)を行い、課題を表面化し、解決する為の方法を考察・検討を行う。評価や査定とも言います。
例えば、Aさん(70代男性)(夫婦2人暮らしである。)が脳梗塞になり入院となり、先日無事治療を終え退院する事になった。自宅に戻る事になったが右半身マヒが残り、入浴では一部介助が必要である。排せつは時間は掛かるが自力でできている。食事は食べこぼしが僅 かに見られるが自立している。自宅の構造上、玄関、廊下、風呂場、トイレなどに段差があり、転倒の恐れがある。という状況の場合、ケアマネジャーとしてはどの様な提案をすべき でしょうか。聞き取りの内容として「食事、入浴、排せつなど」「医療面、服薬の事」など 極端ではありますが、生きる為に必要な情報は必ず聞き取らなければなりません。
②ケアプラン作成(原案)
アセスメントの段階で聞き取りを行った内容をケアマネジャーがケアプラン(介護計画書)に落とし込みます。利用者様の意向に沿った支援内容を反映し、多職種間で支援の方向性の統一を行う指針となります。
③サービス担当者会議の開催(利用者・家族に対する説明、文章による同意)
ケアマネジャーが作成した、ケアプラン(原案)を基に本人・家族、サービス提供事業所の担当者や医師、リハビリスタッフなどが集まり、情報の共有や意見交換等を行い、本人や家族にとってより良い支援が出来る様に検討する会議となります。
この会議を経て、ケアプランの修正を行い、支援の方向性が定まります。
(利用者・家族へ支援内容等の説明を行い、同意を頂く。ケアプランへの署名・捺印)
④サービスの実施
作成したケアプランに沿ったサービスの提供が開始となります。
(ケアマネジャーは、サービス開始後も随時、サービスの利用状況を確認する為、利用者様の様子を伺いに行きます。)
⑤モニタリング
ケアプランで定めたサービスが出来ているのか利用者様と面談を行い確認します。
サービス提供者側とも面談を行い、利用者様と同様に確認を行い、場合によってはサービス内容等を見直すこともあります。
(サービス量を増やしたり減らしたりすることもある。)
まとめ
ケアマネジャーの中心的な業務となるケアマネジメントをご紹介しました。
利用者様の希望通りのサービスがきちんと利用出来ているのか、事業所との相性に問題はないかなど、ケアマネジャーは利用者様とサービス事
業所を適時訪問し、双方の状況を把握します。場合によってはサービス自体の見直しをする場合もあります。
この様にケアマネジャーは利用者様と事業所との間に立ち、双方のサービスの状況を見守りつつ、状況に対して臨機応変に対応をします。
介護保険が導入される以前は、サービスの利用は行政の措置によるものとなっていた事から、自由度がなく制限がありました。
介護保険が開始となり、措置から契約へとなり利用者様がケアマネジャーを通して自由にサービス事業所と直接契約が出来る様になりました。
様々な状況に出会う機会の多い職種となり、苦労が絶えない事もあるかもしれません。ですが、ケアマネジャーの方々がいるからこそ、適切な
サービスを利用でき利用者様の日々の生活を救われていると思います。ですので、利用者様にとってケアマネジャーの存在は非常に大きいのだ
と筆者は思います。