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社会福祉士

社会福祉士と精神保健福祉士はどう違うの?

今回は、福祉業界の国家資格である、社会福祉士と精神保健福祉士について取り上げさせて頂きました。

社会福祉士と精神保健福祉士は共に相談支援専門の資格となりますが、どの様な違いがあるのか見ていきましょう。

①社会福祉士


社会福祉士は、高齢者福祉施設、障がい者福祉施設、児童福祉施設、司法機関、医療機関など多岐に渡り相談業務に従事する事ができる資格となります。

主として、日常生活に不安や支障がでる状態の方に対して、福祉の視点から不自由のない生活を送れる様に専門的な相談支援の知識を用いて支援することが社会福祉士の役割となります。また、施設や病院等からの退所(院)の際などの社会復帰の支援も担います。

相談支援の専門資格ではありますが、決してそれだけではなく介護職などの現場の支援員として務める事ができる為、現場での直接支援を経験した後に相談業務に従事するといったキャリアを積む事も出来ます。

活躍の場

高齢者福祉施設や障がい者福祉施設、児童福祉施設、医療機関、行政などがあり、昨今は司法機関や教育機関においても社会福祉士の活躍の場が広がりつつあります。

社会福祉士の領域は福祉業界すべてと言っても過言ではありません。

非常に高い専門性のある資格ですので、取得する事で将来的に多岐に渡り活躍できると言えます。また、組織に属した場合もキャリアアップの際にも大きく良い意味で影響すると思われます。

試験について。

国家試験は毎年1回(2月初旬頃)行われており、合格率は平均29%となっており易しい試験とは言えません。

合格基準

①総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。

②1を満たした者のうち、以下の18科目群(ただし、(注意2)に該当する者にあっては7科目群。)すべてにおいて得点があった者。 

試験科目

[1] 人体の構造と機能及び疾病

[2] 心理学理論と心理的支援

[3] 社会理論と社会システム

[4] 現代社会と福祉

[5] 地域福祉の理論と方法

[6] 福祉行財政と福祉計画

[7] 社会保障

[8] 障害者に対する支援と障害者自立支援制度

[9] 低所得者に対する支援と生活保護制度

[10] 保健医療サービス

[11] 権利擁護と成年後見制度

[12] 社会調査の基礎

[13] 相談援助の基盤と専門職

[14] 相談援助の理論と方法

[15] 福祉サービスの組織と経営

[16] 高齢者に対する支援と介護保険制度

[17] 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度

[18] 就労支援サービス

[19] 更生保護制度

(注意1) 配点は、1問1点の150点満点である。
(注意2) 社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第5条の2の規定による試験科目の一部免除を受けた受験者にあっては、配点は、1問1点の67点満点である。

引用先:社会福祉振興・試験センター


②精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神に障がいのある方の相談支援や社会復帰の支援など、専門的に行う資格となっております。特に精神科系の医療機関においては「精神科ソーシャルワーカー」(PSW)と呼ばれています。

活躍の場

精神保健福祉士の活躍の場は医療機関だけではなく、精神保健福祉センターや障害者相談支援センター、就労支援系の事業所など、障がい者福

祉事業所にて活躍されています。

現代はストレス社会と言われており、メンタル面のケアに対するニーズが高まっています。

精神保健福祉士は福祉系の資格ですが、昨今は他業界の一般企業でも活躍するケースが増えつつあります。

企業で活躍する精神保健福祉士は「産業ソーシャルワーカー」と呼ばれ、主に社員のメンタルケアを担い、仕事上の悩みや家族の事など仕事に

支障がでる前に解決へ向けて対応する事が生産性の向上や社員のモチベーションアップに繋げることも重要な役割となっています。

試験について

精神保健福祉士の国家試験は社会福祉士と同様に年一回(2月の初旬頃)行われており、合格率は平均60%となっています。

数字だけでみると社会福祉士よりも易しい様に見えますが、40%は不合格になっています。日々の学習の努力は当然必要と言えます。

合格基準

①総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。

②1を満たした者のうち、以下の16科目群(ただし、(注意2)に該当する者にあっては5科目群。)すべてにおいて得点があった者。

1.問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。

2.1を満たした者のうち、試験科目16科目群(ただし、(注意2)に該当する者にあっては、5科目群。)の各科目群すべてにおいて得点があった者。

試験科目

[1]  精神疾患とその治療

[2]  精神保健の課題と支援         

[3]  精神保健福祉相談援助の基盤

[4]  精神保健福祉の理論と相談援助の展開

[5]  精神保健福祉に関する制度とサービス、精神障害者の生活支援システム

[6]  人体の構造と機能及び疾病

[7]  心理学理論と心理的支援

[8]  社会理論と社会システム

[9]  現代社会と福祉

[10]  地域福祉の理論と方法

[11]  福祉行財政と福祉計画

[12]  社会保障

[13]  障害者に対する支援と障害者自立支援制度

[14]  低所得者に対する支援と生活保護制度

[15]  保健医療サービス

[16]  権利擁護と成年後見制度

引用先:社会福祉振興・試験センター

まとめ


いかがでしょうか。

社会福祉士と精神保健福祉士の試験やカリキュラムは共通する所があります。

効率よく資格を取得したいという方は、精神保健福祉士をまず受験し合格を目指します。

その後、社会福祉士を受験すると、共通科目が免除となりますのでハードルが下がり合格率は上がります。

合格した方々は口を揃えて言われるのが、「過去問をひたすら解く。」という事です。

簡単ですが一つ参考にしていただければと思います。

社会福祉士と精神保健福祉士の活躍の場所が僅かに違いがある。

社会福祉士は福祉業界での幅広い活躍ができるとご説明しました。

精神保健福祉士も同様に幅広く活躍が出来るわけですが、精神障がいなどの障がいに特化している点があり、それに付随してメンタル面の支援ができるという所から、医療・福祉のみならず、企業までも活躍の範囲が広がりつつあるという点が社会福祉士とは少し違う所かと思います。

最後に(筆者の体験談)

筆者は学校を卒業後、色々なご縁があり障がい者相談支援センターの相談員として勤務させて頂く事になりました。

知識や経験が無いに等しい状態で相談支援の現場に入り、他の相談員の方と利用者様宅への訪問に同行や電話・来所相談の対応など、その他様々な会議や研修に参加させて頂いたりと今となっては大変勉強になったと実感していますが、当時の新人であった自身にとってはハードルが高い印象がありました。

相談支援という業務は高齢者福祉や児童福祉にもありますが、やはり現場での介護などの経験を積むことで、利用者様との接し方や福祉施設の雰囲気など様々な情報を直接感じる事ができる為、社会福祉士として相談業務をスタートする際にも大きな資産となります。

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